10勝はエースの条件?

おはようございます。ヤクルトけんちゃんです。

先日球界のご意見番というか毎度昭和の発想で強烈な話をされる元ヤクルト監督の広岡達郎氏が「10勝もできない投手を
エースと呼ぶな!」という暴論を言っておられました。
それは9月中盤でまだ7勝しかしていない巨人菅野投手に対してだったと思います。
幸いにも菅野投手はそれからポンポンと3勝して見事10勝にたどり着き、「巨人のエース」の面目を施したということです。

それでは今年の10勝以上投手(エース?)を見てみましょう。
セリーグは
13勝 阪神 青柳
12勝 巨人 戸郷
11勝 DeNA 今永・大貫
10勝 中日 小笠原・巨人 菅野・広島 森下
パリーグです
15勝 オリックス 山本
12勝 西武 高橋光
11勝 ソフトバンク 千賀・オリックス 宮城
10勝 西武 與座・ロッテ 美馬・西武 エンス・日ハム 伊藤・楽天 則本・ソフト 東浜

おやおやセリーグを制したヤクルトの投手はどうしたのでしょう。
9勝 木沢・サイスニード
8勝 高橋・小川
残念ながら広岡氏の言う「エースの条件」に届く投手はヤクルトにはいませんでした。
日本一になった昨年も小川と奥川の9勝がヤクルトのトップでした。
広岡理論で行くとヤクルトにはエースはいない、ということになります。
確かにヤクルトには阪神の青柳やオリックスの山本のような絶対的エースはいません。
しかしこれだけ投手の分業制が確立し、先発投手は100球を目途に中6日で投げると、
先発するのはシーズンで25試合程度、1試合に6・7回がせいぜいです。
規定投球回数に達したのがセでは10人(ヤクルトは小川)、パでは9人しかいません。
しかもこちらのエースが相手をいくら抑えても、相手もエース級を繰り出してくるわけで、
前半はなかなか得点は上げられません。
というわけで試合は中盤以降中継ぎ勝負になり、そこで勝ち負けが中継ぎに着くケースが増えるわけです。
ヤクルトの勝ち頭が木沢というのもそういうことです。

確かに廣岡氏の昭和的な発想では先発は完投して当たり前、そうすれば必然的に先発の勝ち星が増え、
特に優勝チームには10勝投手がごろごろいることになります。
広岡監督でヤクルトが優勝した1978年を見ると

松岡弘 43登板、29先発、16勝11敗、2S
鈴木康二朗 37登板、32先発、13勝3敗、1S
安田猛 47登板、29先発、15勝10敗、4S
井原慎一郎 58登板、2先発、10勝4敗、4S
ということで4人も10署以上投手がいました。(井原投手は中継ぎがメインだったようです)
驚くことは松岡・鈴木・安田の3本柱が結構リリーフでこき使われていることです。
当時は100球とか中6日で肩を疲れさせない、なんて思いやりはありませんから、
エース(松岡)でも先発・中継ぎにフル回転だったわけです。
ということで当時は1チームに10勝クラスが数人、15勝クラスもいて当たり前でした。
しかしそれは半世紀近い昔の話です。

特に近年のヤクルトは先発投手陣が弱く、完投能力も低い中、打撃と中継ぎ陣の踏ん張りで
2015年や昨年今年のセリーグ優勝を果たしているわけです。
従って勝ち星の多くもリリーフ陣に回るということになります。
今年は先発勝利50勝(40敗)、リリーフ勝利30勝(19敗)です。
いかに中盤以降リリーフ陣の頑張りと相手の一枚落ちた中継ぎを打撃陣が打ち込んで勝利を得たことが
多かったことが分かります。
この傾向はポストシーズンも変わらないはずで、苦しい戦いが続く、ということになります。

上記数字は各選手個人のWikipedia 及びYahoo スポーツの成績等を参考にさせていただいています

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