山口俊って、世渡り上手?

おはようございます。ヤクルトけんちゃんです。

錦の御旗を掲げて米国メジャーに殴り込んだはずの元巨人の山口俊投手がしっぽをまいて帰国です。
しかしそこは商売上手、転んでもただでは起きず、投手難に悩む?古巣の巨人にしっかり里帰りしました。

びっくりなのは、日本復帰後、ファームでの調整なしで、6月23日のDeNA戦にいきなり先発、
5.2回を投げ、5被安打、5三振、2四球、1失点でちゃっかり1勝です。
こんなことってあるのでしょうか。

山口投手はポスティングでメジャーブルージェイズと2年総額635万ドルで契約しましたが、
2020年は17試合で2勝4敗1ホールド、8.06のトホホな成績で、1年で愛想をつかされ、
今年はサンフランシスコジャイアンツ傘下の3Aでは5試合で3敗、6.17、やる気あるの?という成績です。
しかしブルージェイズと2年契約したため、今年の年棒は移籍したにもかかわらず、ブルージェイズが
支払い続ける、という不思議な話です。
巨人とは3千万円X2年の契約のようですので、さすがに日本に帰った山口にメジャーも払い続ける
なんて馬鹿なことはないのでしょう。
「メジャーのボールは滑るので投げづらかった」なんて言い訳していますが、ダルビッシュも
菊池もマエケンもメジャーで「滑らず」投げ続けています。

「気持ちよくポスティング制度で米国に送り出してくれた巨人に恩返し」なんて巨人系マスコミは美談に
仕上げていますが本当でしょうか?

山口投手は2005年の高校生ドラフトで横浜ベイスターズから1位指名で入団。
高校時代は甲子園にも出場しておらず、ケガまでしており、1位指名されたこと自体ラッキーでした。

横浜での初めの10年間はまずまず程度でしたが、最後の2016年に19先発、5完投、3完封、11勝5敗、
防御率2.86という目を見張るような成績を上げ、FA権を獲得し巨人に移籍、3年契約でそれまでの
年棒9千万が2億3千万に跳ね上がりました。

巨人時代も初めの2年は故障もあり、鳴かず飛ばずでしたが、3年目に29先発で15勝4敗、防御率2.91という
大投手に変身しました。(15勝は最多勝)
この好成績をもって、ポスティングシステムで米メジャーのブルージェイズに年棒約3.5億の2年契約を結びました。
ところがブルージェイズではさっぱりで、今年の春先に首となり、サンフランシスコジャイアンツとのマイナー契約を
結びましたが、メジャーに昇格する目はなく、早速帰国を模索、ちょうど投手難に陥っていた巨人に
転がり込んだ、という顛末です。

以上が山口投手のサクセスストーリーです。
高校時代に甲子園出場もなく、驚くような成績も残さず、ドラフト1位指名され、
横浜時代は11年間で39勝、111セーブ、24ホールドで華麗にFAで巨人入り。
巨人では3年目に大活躍し、メジャーへ。
メジャーではほとんど仕事をせずに(17試合、0先発、2勝4敗、1ホールド、防御率8.06)2年間の年棒(635万ドル)は
しっかりゲットしての里帰りです。
色々なプロ野球選手を見ていますが、この山口投手程世渡りの上手な選手は見たことがありません。

しかし2020年にメジャーで8.06だった投手が日本で蘇えることができるのでしょうか。
シーズン後半戦、巨人と激しく争わなければならないヤクルトにどのような形で山口投手が
立ちはだかれるのか、別の意味で注目です。

以上書いてきましたが、決して山口投手を非難しているわけではありません。
私は常々書いていますが、プロ野球選手はサラリーマンではありません。所属する球団はある程度選手を守りますが、
基本、選手は個人事業主であり、自分の腕一本で稼いでいかなければなりません。怪我をしたら終わりです。
ゴルフのプレーヤーとの大きな違いは、そのプロへの入り口にドラフト会議と言うものがあり、ここで球団に
セレクトされなければ基本プロになれないということです。
高校時代、大学時代、社会人時代の大会で自分をアピールしてスカウトの目に留まる必要があります。
アマでどんなに活躍して、ドラフト指名必至と言われながら、指名されず、そのままアマとして終わっていった
選手も数多くいます。奥川投手のようにアマで大きな実績を残せば、黙っていても球団がすり寄ってきますが、
多くの選手はあくまで球団の指名待ちと言う受け身である程度運次第と言うところがあります。

入団後は確かに基本実力次第ですが、球団に身分を縛られているために、若くしてどんなに活躍しても
いきなり何億もの年棒はもらえません。ある程度年功序列と言うか、年棒も積み上げ式です。
それを打ち破るのがFAです。FAを機に他球団や米国メジャーなどにチャレンジして年棒を一気に
ジャンプアップさせることができるわけです。
他球団に移籍しなくてもどうしても残留してほしい所属球団から大甘な条件を引き出すことも可能です。
(5億X7年契約を勝ち取った山田哲人等)
以上プロ野球選手は個人事業主とは言いながら、プロになるときは運次第で、その後も必ずしも活躍に見合う年棒が
得られるとは限らず、そのような意味で山口俊投手はプロ野球の世界で実に上手に立ち回っていると言えます。

上記数字は各選手個人のWikipedia 及びYahoo スポーツの成績等を参考にさせていただいています



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