スポーツの希少性
おはようございます。ヤクルトけんちゃんです。
先日アメリカンフットボールのNo1を決めるNFLの「スーパーボウル」がカンサスシティー・チーフスとフィラデルフィア・イーグルスの間で行われました。
この中継は毎年40%以上の視聴率を誇り、家族とか友達と一緒に見たり、スポーツバーでビール片手に大騒ぎしたりして、基本米国のほとんどの人が見ているのでは、というアメリカでもNo1の年に1度のお祭り騒ぎです。ハーフタイムショーでは著名なミュージシャンがパフォ-マンスを繰り広げ、マイケル・ジャクソンなども昔は出演しました。
このNFL(全米フットボール・リーグ)はAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)とNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)の2つのリーグに分かれており、その中でそれぞれ東西南北の4つの地区にそれぞれ4チームが所属、都合計32チームがこのスーパーボウル制覇を目指すわけです。
NFLの公式戦は秋から毎週1試合の公式戦が行われ(全17試合)この勝率上位チームでプレーオフが行われ、AFC・NFCの優勝チームがスーパーボウルを行なうわけです。
というわけで年間でも最大で20試合程度しか行われず、ここがプロ野球との大きな違いとなっています。
年間に20試合位しか試合はないNFLに対しMLB(メジャー・リーグ・ベースボール)は公式戦で162試合プラス勝ち進めばプレーオフやワールドシリーズ(最大7試合)も行われるわけです。
ここにNFLの希少性がでてきます。
サッカーのワールドカップやオリンピックがなぜあれほどの熱狂を生むかという一つの要因に4年に一度の開催だから、ということが大きく関係しています。これが毎年行われれば、果たしてあれほどの大騒ぎになるかどうかは疑問です。
大相撲なんて年に6場所があり延べ6人の優勝力士が誕生するわけですが、その6人が戦って年間最優秀力士を決定するなんてことは行われないので、優勝の価値は軽くなります。
トレーディングカードの世界で1枚何万円もするカードがあって高価で取引されるようですが、これらは「レア物」と呼ばれます。密封された袋に数枚のカードがアトランダムに入っており1袋数百円で売っている物の中にめったに出てこない「レア物」がたまに入っていて、これがプレミアを呼ぶということです。これを「希少性」と呼びます。
数が少ないから人々は興味をそそられ、それを見る(買う)ために大枚をはたくということです。
ボクシングの世界で世界タイトルマッチが儲かるということで、階級を細かく分けて水増ししたり、世界ボクシング協会が乱立して世界チャンピオンを量産して、自ら「世界チャンピオン」という本来唯一無二のはずのものの価値を貶めているのはこの「希少性」の逆を行く、いわば世界チャンピオンの水増し量産です。
本来その競技の主催者はその競技の「希少性」を高める努力をする必要がありますが、決してフットボールが16試合でプロ野球が162試合あるからNFLがMLBの10倍の価値があるわけではありません。
1年間は長く春から秋が野球で秋から冬がフットボールという棲み分けが行われているわけです。
片や日本では冬はラグビーという感じでプロリーグも発足しましたが、規模も人気的にもまだまだサッカーにも及びません。
近年日本ではバスケットボールや卓球のプロリーグも誕生していますが、果たしてそれぞれの競技がどこまでその「希少性」の優位を延ばして活動が続けられる競技になるか、興味深いものがあります。
数字は各選手個人のWikipedia 及びYahoo スポーツの成績等を参考にさせていただいています