OPSとは

おはようございます。ヤクルトけんちゃんです。

野球選手の能力を測る指標は数々あります。
昔は投手なら20勝投手なんて一流投手の証でした。(今は絶滅危惧種です。NPB最後の20勝投手は
楽天田中将大が2013年に達成した24勝が最後です)
打者としては3割打者とか30本塁打以上を打つと一流打者としてこちらは最近でも達成可能な数字です。
そういった中で打者としての評価項目でOPSが一番重要という説があります。
OPSというのはもちろん米国発の基準ですが、On-base Plus Sluggingの略で、要は出塁率+長打率で
表される数値です。

打席に立ちぼてぼての内野安打やポテンヒットでも四球でもとにかく塁に出れば出塁率は上がります。
塩見選手のように足が速くかつ(ここは塩見選手には当てはまりませんが)選球眼が良くてボール球に手を出さず
四球を選べる打者が出塁率が高くなります。
一方長打率は単打1、二塁打2、三塁打3、本塁打4と計算しその合計を打数で割るので、本塁打を量産する打者が
当然有利ですが、ぶりぶり振り回すだけで本塁打か三振かというような打者は打率が低くなるので必ずしも
長打率が高くなるとは限りません。(しかし本塁打1本は単打4本と同じですから、ホームランバッターが
長打率の面では有利なのは変わりません)
以上から出塁率と長打率という一見相反する指標を足し合わせたOPSが高い選手は当然のことながら一流打者
ということになります。
ありえませんが全打席出塁すれば出塁率は1.00となり、これもあり得ませんが全打席で本塁打を打てば長打率は
4.00となるのでOPSの最大値は5.00となります。

昨年面白い記録がありました。
10月2日のヤクルトー阪神の最終戦で、阪神の栄枝捕手が代打に立ちマクガフから右前安打を放ちました。
栄枝選手は昨シーズン一軍での登場はこの1打席のみでした。これによって栄枝選手の2022年の一軍成績は
出塁率1.00の満点となり、OPSも2.00となったわけです。
ちなみにNPBの2022年のOPSのトップは(規定打席到達者)村上の1.168です。
OPSのシーズン記録1位は1974年の巨人王貞治選手の1.293です。
この年の王選手は130試合553打席で出塁率は.532、長打率は.761でした。
昨年の村上選手は141試合612打席で出塁率.458、長打率は.710でした。
上記の数値は率(割合)ですから、打席数の多寡は直接には関係ありません。
例えば昨年の村上の56本塁打ですが、村上選手の打数は487打数で、
王選手が55本塁打を打った1964年は140試合599打席、472打数での55本塁打です。
上記のOPSの比較では村上選手の打席数は王選手より約60打席多いわけですが、
この本塁打記録では打数の違いは村上選手が15打数多いわけで、単純比較すると
同じ打数なら王選手も56本塁打うまくいけば57本塁打を放っていた可能性としてはあるわけです。(たらればですが)

昨年のヤクルトのOPS2位は塩見の.797、3位は山田の.790です。
昨年のNPBでOPSが1.00を超えたのは村上以外にはオリックスの吉田正尚の1.008だけです。
さすが今年米メジャーに挑む一流の日本人選手です。
王選手はそのキャリアの5年目の1963年から引退する3年前の1978年まで16年間連続でOPS1.00越えを
達成しています。いかに王貞治という選手がすばらしかったかということです。
村上選手がこのOPS1.00越え(2020年にも達成しています)をどれだけ続けられるか、興味深いところです。

上記数字は各選手個人のWikipedia 及びYahoo スポーツの成績等を参考にさせていただいています

4件のコメント

  • 王選手の1963年から1978年まで16年間連続でOPS1.00越え達成は世界最高記録じゃないですか。
    驚くべき記録です。 ある意味、通算868本塁打よりも偉大な記録ですね。
    韓国での最高は元巨人の李承燁で6年連続です。
    opsが打者の完成度を示す最も重要な指標の一つであることは明らかですが、私の考えでは 「チャンスでの打点生産能力」が一番重要だと思います。特に、ゲームの勝負をひっくり返したり決定できる決定的な一発を持った打者が一番立派だと思います。
    韓日戦でヤクルト所属の山田哲人選手が見せてくれた、そんな決定力ですね。

    • MONTE CRISTO様
      コメントありがとうございます。
      仰る「チャンスでの打点生産能力」とは「得点圏打率」に当たるかと思います。
      昨シーズンセリーグの「得点圏打率」1位はヤクルトの村上で.350
      パリーグでは日ハムの松本剛で.419ですからこれは素晴らしい。
      しかし松本選手の打点は44です。一番打者が多かったので、そもそもチャンスに打順が巡ってくることが
      少なかったのかとも思います。
      ヤクルトけんちゃん

  • 「得点圏打率」,, そうです。
    私が見ている日本野球統計サイトにはVDUCP(勝敗更新機会点)率という独自の指標がありましたね。
    これは単なる得点圏打率よりもチーム勝利への貢献度を高く評価する指標です。
    VDUCP(勝敗更新機会点)率の高い打者が素晴らしいと思います。

    • MONTE CRISTO様
      ありがとうございます。
      「勝敗更新機会点」というのですか、初めて知りました。
      いろいろな指標があるものですね。
      確かにこのような指標があればますます野球を見る楽しみが増えそうです。
      ヤクルトけんちゃん

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。