スーパーアスリート
おはようございます。ヤクルトけんちゃんです。
女子やり投げの北口榛花選手というアスリートがいます。
ご存知のように現在の陸上女子やり投げでは文句なしの世界No1です。もちろん来年のパリ五輪では金メダルの有望選手でもあります。近年の女子の陸上競技ではマラソンで高橋尚子や野口みずきがオリンピックで金メダルを取ったくらいで、他の競技で活躍した選手は皆無です。やり投げという日本人には余りポピュラーではない競技で金メダル候補ということでいろいろな意味でユニークなアスリートと言えます。
他に男子ハンマー投げで室伏広治が2004年アテネオリンピックで金メダルを取りましたが、この北口選手や室伏選手以外にそれらの競技で世界レベルの選手は近年の日本ではいません。これはどういうことかというと、まずは競技人口の少なさ、競技としてのポピュラーさ、更にこれが一番重要ですが、投てき競技では砲丸投げが特に顕著ですが基本的に体格的にも体力的にも優れた欧米系の選手に日本人はなかなか伍してはいけない、というポイントがあります。
そういった意味でこの室伏選手や北口選手は突然変異とも言えるのではないでしょうか。室伏選手は母親がルーマニア人であるということで欧米系の血が入っていることも強靭な肉体を生んだ一因かもしれません。
北口選手はそのようなルーツはなさそうですが、母親は実業団のバスケットボールの選手だったということで、そのあたりに強いアスリートの血が流れているのかもしれません。
その北口選手ですが中学までは競泳とバドミントンで全国レベルの選手だったということです。やり投げとはある意味真逆の競技です。高校から陸上部に入りやり投げを始めみるみる頭角を現し今日に至る、というところです。
高校野球ではエースで4番打者なんて時々ありますが、プロでそんな選手は大谷選手以外にはいません。
ましてや北口選手のように競泳・バドミントン・やり投げというまるでジャンルの違う競技で成果を上げ、やり投げでは世界トップレベルになったということは、そもそも北口選手がスーパーアスリートだったということです。このスーパーアスリートは小学生・中学生時代は何をやっても地域No1です。そういった中で本当に自分にマッチした競技に出会え、それに適したトレーニング環境に恵まれたほんの一握りのアスリートがオリンピックで金メダルを取ったり、大谷選手のようにMLBでも大活躍するという本当のスポーツエリートの道です。
全然畑違いの活躍と言えば、1984年のロスオリンピックで米国のカール・ルイス選手が100M走・200M走・4×100M走で金メダルはこれはもうほぼ同じジャンルの競技ですから金メダルもまあ納得ですが、カール・ルイス選手は走り幅跳びでも金メダルを獲得したわけです。中学・高校生レベルならともかくオリンピックです。世界中のトップアスリートが鎬を削る場で一度の大会で同じ陸上とはいえジャンルの違う競技で金メダルを取ったということは驚異です。
北口選手もそのまま競泳やバドミントンを続けていればどうなったかはわかりません。しかしやり投げというある意味ニッチな競技に出会え、その中で頭角を現すことができた北口選手は幸せです。
日本中のスーパーアスリートの卵たちが自分にマッチした競技に出会い、そこで世界レベルの選手になれればアスリート冥利に尽きるというものではないでしょうか。
上記数字は各選手個人のWikipedia及びYahooスポーツの成績等を参考にさせていただいています