プロ野球のプロパー

おはようございます。ヤクルトけんちゃんです。

サラリーマンの世界では「あの人はプロパー」なんて言い方をします。
要はその人物がその会社の「生え抜き」だということです。
戦後ずっと「終身雇用制」と「年功序列制」という家庭的な従業員政策で会社ひいては日本経済を飛躍的に伸ばした
日本流経営術はバブルが崩壊するまでは大成功を収めていたわけです。
学生が卒業と同時に企業に入社。仕事を知らない新卒に会社は手取り足取り仕事を教えてくれます。
そのいわば修業期間社員は極めて安い給料でこき使われるわけです。
そこから仕事を覚えるにつれ、社員のポジションは上がり給与も上がります。基本的にその社員の身分は定年まで
保証されその間身分と給与は上がり続ける。社員はそのために家庭も省みず滅私奉公するわけです。

いろいろな日本的なやり方の歪がバブルの崩壊と共に顕著となり、片や過去のやり方に捕らわれて変革を受け入れられない層と
新しい世代のせめぎあいが今もって続いています。
ビジネス界ではそれでも少しづつ人材の流動化が進み、転職・中途入社が多くの企業では当たり前になりつつあります。

翻って我がプロ野球業界ではどうでしょう。今もって1球団に終身プレーすることが尊ばれているような気がします。
よくプロ野球中継でアナウンサーが「今日の解説はヤクルト一筋・・十年数々の記録を持つ・・・さんです」なんて
紹介しています。これは「ヤクルトに生涯をささげた立派な選手」的な賞賛を込めています。
我々ヤクルトファンは山田や村上がこれからもずっとヤクルトでプレーしてくれることを願っています。
FAなどで他球団に特にスターが移籍すると時には「裏切り者」的なコメントがSNSに出たりします。

米メジャーでは選手が動くのは当たり前、球団同士でもどんどんトレードで選手を交換します。
FA制度も日本よりずっとフレキシブルになっており、選手が自分の意志で移籍する土壌も整っています。

プロ野球選手と日本のサラリーマンの大きな違いはサラリーマンは労働基準法などで身分が保証されており。
一旦企業がその人物を正社員として雇うとよほどのことがない限り企業はその従業員を首にすることはできません。
しかしプロ野球選手は個人事業主として企業(球団)と基本1年契約の雇用契約を結んでいるということです。
従ってプロ野球選手はオフになると戦力外通告という名の首切りに怯えなければならないわけです。

ドラフト後の入団交渉では「君は将来のエース候補」とかなんとかスカウトの甘言に釣られて入団したが、
故障があったり今一技量が伸びなかったり、とにかく球団から「こいつは要らん」と思われれば翌年から
ジョブレスになってしまいます。寮に住んでいたらホームレスです。
一流選手として何年も何億も稼いでいたり、引退後にコーチなどの道が開けていれば良いのですが、
二十歳そこそこで、高校まで野球一筋で他の世界を知らない若者には厳しすぎる現実です。

そうなればこそ、個人事業主と割り切って、稼げるうちに稼いでおこう、もっと年棒を出してくれる球団が他に在れば
FAで移籍しよう、と考えることはなんら不思議ではありません。
そういった中でのプロパー選手は一つには本当にその球団が好きだからというタイプと移籍したくても需要が無い選手、
移籍したいけどファンから嫌われたくないなんて考える選手もいるでしょう。

近年は特に外国人選手の数も増える一方、FAやトレードによる選手の移籍は減少しています。
オフのトライアウトで再就職先が決まるのは毎年数人です。
そのような中でこのオフから「現役ドラフト」が始まることが決まりました。
これによって各球団に死蔵されたお宝が発掘され次の年から新天地で暴れまわるチャンスが得られれば何よりです。

上記数字は各選手個人のWikipedia 及びYahoo スポーツの成績等を参考にさせていただいています

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