何か変?
おはようございます。ヤクルトけんちゃんです。
先日スポーツニュースを見ていたら、サッカーのワールドカップで一躍ブレークした三苫選手が見事ゴールインと思いきや、肩でトラップしたボールをハンドと取られた、というニュースでした。
この時私が改めて感じたのは、サッカーとはある意味変な競技、ということです。
人間は手や指を自在に扱うことにより文明を発達させてきたわけで、その手を使うことが反則になるというサッカーはある意味人類の進歩に逆行する、というか手を使ってはいけない、という枷をはめることによって競技としてのエンターテインメント性を高めたのかとも思われます。
競技形式として非常に同質性の高いラグビーは逆に手も足も使い放題、バスケットボールのように手に持ったまま何歩しか歩いてはいけない、なんて縛りもありません。
共にイギリス発祥で世界に広まった競技ですが、ルールに大きな枷(手を使えない)を基本としたサッカーの方が世界的には大ヒットしたのは面白い現象です。
ボールなどの道具を使わないある意味原始的な競技に格闘技があります。レスリングや相撲が歴史があります。
レスリングは古代オリンピックでも行われていた古くからある競技です。
相撲の起源は野見宿禰(のみのすくね)対当麻蹴速(たいまのけはや)の戦いです。
なにせ日本書記にある記述で垂仁天皇(3世紀後半~4世紀前半?)が死んでもかまわない強いものを集い試合を行い、最後は野見が当麻を踏み殺した、という話です。半分神話みたいな話ですが、その後この二人は相撲の神様と祭り上げられたわけで、相撲も発祥はかなりワイルドな競技だったようです。
織田信長も相撲が好きでよく家来たちと相撲を取っていたことは有名な話です。
相撲もレスリングも当初は男と男が裸に近い状態でぶつかり合い、ルールも緩かったはずですから、殺し合いに近い競技だったのでは。
原始的な格闘技から発達し今やレスリングも相撲も洗練されたものとなり、素手の殴り合いだったボクシングも19世紀半ばにはやっとグローブをつけた競技的なものになりました。
かように格闘技に限らずスポーツ(競技)は時代とともに徐々にルールが厳格化され、反則も厳しく取るようになり、危険を減らして行きある意味エンタテインメント性を削いでいきます。
ローマのコロッセオでグラディエーター(剣士)同士の殺し合いがローマ市民を熱狂させたことは現在のサッカーでのサポーターの熱狂ぶりにも通じます。
コロッセオの殺し合いと手を使ってはいけないという競技としては厳しい枷をはめられたサッカーがともに人々を熱狂させるエンターテインメントとは面白い暗合です。
上記数字は各選手個人のWikipedia及びYahooスポーツの成績等を参考にさせていただいています