単独指名どうなんでしょう
おはようございます。ヤクルトけんちゃんです。
このブログでは再々ヤクルトのドラフト戦略下手を指摘しています。
まずは人気の選手に1位指名を行い、当然他球団と指名が被ります。競合がヤクルト以外に1球団しかなくとも、指名権を得る確率は5分5分です。ましてや競合が2球団以上いるとヤクルトが指名権を得ない確率の方が高くなり、くじに外れればその次のランクの選手(あくまでドラフト時のスカウトのランク付けですが)を指名せざるを得ないわけです。
しかし山田哲人選手や村上宗隆選手のように、外れ1位で取った選手が初めにくじで外した選手なんて問題にならないような大物に化けることもあるので、一概には言えません。
ちなみに山田選手の時の2010年ドラフトでヤクルトは1巡目で斎藤佑樹投手を外し、2巡目で塩見貴洋投手(楽天)を外したわけです。
しかし上記の2例で単純に外れ1位でも正解、とは言い切れないのはヤクルトの過去の外れドラ1選手たちの入団後の活躍ぶり?でも明らかです。
ドラフト1位くじ外しの他にも過去10年でドラフトもしくは育成でヤクルトに入団した選手の何人がまだ残っているか、そのうちの何人が一軍でバリバリ活躍したか(しているか)を考えると、ヤクルトのスカウトの見る目とファームを含めたヤクルトの指導者(監督・コーチ)の能力の低さを感じます。その分ヤクルトはFAにはお金を使わないので、安上がりな外国人選手と再生工場で他チームを戦力外となった選手でチームを回している感じです。
さて先ほども言いましたが、ドラ1で競合して外れる確率の多い人気選手を指名するのはビジネスジャッジメントとしては正しくない、ということは明白です。それを避けるにはスカウトが頑張って他球団にマークされていない選手や外れ1位で指名されそうな2番手クラスの選手を単独指名することです。
ヤクルトも過去に何度かドラ1の1巡目で単独指名をしたことはあります。その結果はどうだったのでしょうか。
1番新しいところでは2022年の吉村投手です。昨秋キャンプの東芝との練習試合でヤクルトの打者がきりきり舞いさせられて、急遽ドラ1指名に躍り出ました。吉村投手は開幕からローテーション入り、8先発で2勝1敗、まずまずでしたが5月25日に負傷?で抹消され、9月3日の再登録までほぼ3か月の長い長い夏休みを取って、再登録後は2登板で1勝1敗です。
まだルーキーですから、この選手の評価はこれからです。
2019年のドラフトでは奇跡的?に3球団競合で奥川投手を引き当てました。2021年には大活躍しましたが2022年の初めに故障。それ以来一軍の登板はありません。まだ高卒4年目なのでこれからとも言えますが、怪我の多さから第二の由規になりそうなのが怖い。
それ以前では2016年の寺島投手を単独指名しました。この年の高校ビッグ3と呼ばれ、藤平投手は楽天にドラ1、高橋昂投手は広島にドラ2で入団。寺島選手以外はまだ現役ですから最終評価はこれからですが入団7年目で皆さんビッグ3と言われるほどには大成していません。
寺島投手も一軍では1勝1敗3Hの成績で22年オフに戦力外となりました。高校では一流でしたが、その後成長せずプロのレベルに達しなかった、ということです。
その前の単独指名というと2008年に遡ります。高卒サウスポーの赤川投手をヤクルトは一本釣りしました。
この年のドラフト入団で現役はDeNAの太田泰示外野手や日ハムから中日に移籍し今シーズンで引退した大野翔太捕手くらいです。
当時05年ドラ1の村中投手・06年の増渕投手・07年の由規投手と並んで高卒ドラ1カルテットと呼ばれましたが、6年間で76登板、14勝20敗で引退しました。
上記のような感じですから、いかにヤクルトが競合人気選手に札を入れて外しまくっているかがわかります。
対照的なのが広島です。単独指名で良い選手を獲得しています。
近年では2020年の栗林投手、2019年の森下投手、ちょっと遡りますが2011年の野村投手も単独指名です。
大瀬良投手は2013年ドラフトで3球団競合。九里投手は同じ13年のドラ2。床田投手は16年のドラ3です。
現メジャーの前田健太投手は06年ドラ1単独指名です。
事程左様に広島のスカウトの見る目の確かさプラス育成力が光っています。(特に投手に対して)
ヤクルトも本当に強いチームにしようとするならばまずはスカウトの見る目を鍛え、営業サイドに左右されない(有名選手指名をごり押しする)ぶれないドラフト戦略を立て、育成をきちっとする必要があるのかと、思います。
上記数字は各選手個人のWIKIPEDIA 及びTahooスポーツの成績等を参考にさせていただいています