柔道井上康生監督の涙

おはようございます。ヤクルトけんちゃんです。

昨日全日本柔道連盟は強化委員会を開き、男女全14階級中12階級の代表決定を発表しました。
(残りの2階級中女子78キロ超級は素根輝で決定済み、あと1階級は男子66キロ級)
その発表の席上、井上康生監督は涙を流した。
なぜ井上監督は涙を流し、何人かの代表を逃した選手の名前を挙げたのか。
私が再三言及しています、五百羅漢のような全柔連の強化委員会のメンバーが私利私欲で
オリンピック代表を決めるという事態がやはり起きたのです。
そもそも2月の2度の柔道グランドスラムで相応の成績を残し、同クラスの2番手の選手と決定的な差が
あると認められた選手は、強化委員会の3分の2以上の賛成を持って代表に決定するという話だったはずです。
ここで決められない場合は4月の全日本体重別選手権で直接決着をつけるはずでした。
それでは今回決定の12階級で本当に2番手との間に決定的な開きがあったのでしょうか。
2月24日付けの世界ランキングをもとにチェックしてみましょう。
(2月24日付けですから直近のGSデュッセルドルフ大会の結果も反映しています)

女子48キロ級渡名喜風南は2番手が19位で渡名喜は3位これはOKです。

男子60キロ級の代表高藤直寿は3位に上がりましたが、1位は永山竜樹です。
これはどういうことでしょう。高藤は過去10年に亘りこの階級を顔で前回のオリンピックでは銅メダルでした。
過去はともかく、直近の世界ランクで1位の選手が外れるなんてありですか?

女子52キロ級は阿部詩(2位)が代表。志々目愛3位と大きな開きはなさそうです。
ただし選考基準の柱が外国人選手に勝てる、ということです。その点で志々目はGSパリ大会で銅メダル、
阿部詩はGSデュッセルドルフ大会で金、過去の実績でも阿部詩は昨年のGS大阪大会で敗れるまで、国際大会で
不敗神話を誇っていました。ここは百歩譲って阿部詩の代表は妥当としましょう。

男子66キロ級は丸山城志郎2位と阿部一二三3位で、さすがにこれは人気の阿部一二三とはいかなかったようです。
マスコミも盛んに阿部詩との兄弟金メダルなんて煽り立てていますが、この階級だけがペンディングになりました。

女子57キロ級は芳田司4位でした。2番手は玉置桃6位です。芳田はGSを欠場しての選出です。
二人の間に大きな開きがあるとは思えません。

男子73キロ級も密室政治での決定でした。
代表は大野将平6位、2番手?の橋本壮市は1位です。大野選手は前回オリンピック金メダルで、実績も人気もある選手ですが、
世界ランクで1位の選手と比べ、どう考えれば大きな開きがあっての選出になるのでしょう。

男子81キロ級代表の永瀬貴規6位は先日のGSデュッセルドルフ大会で1回戦敗退のとほほだった選手です。
1回戦敗退のどこが外国人に勝てる選手でしょうか。2番手の藤原宗太郎が9位ですからどっちもこっちもです。

女子63キロ級は田代未来(3位)が代表でしたが鍋倉那美は4位です。ここも?です。

女子70キロ級の代表新井千鶴は2位、次が新添左季の11位ですからここはOKです。

男子90キロ級は向翔一郎9位でした。2番手が長沢憲大の12位です。ここも決定的な開きがあるとは思えません。

女子78キロ級は濱田尚里2位で、2番手が梅木真美の10位ですからここはまあ妥当です。

男子100キロ級はウルフ・アーロン6位で2番手が17位ですから、これも妥当。

男子100キロ超級は原沢久喜3位でした。フランスのレジェンド、リネールを破った影浦心9位は涙を飲みました。
影浦選手はリネールを倒しましたが、金メダルは取れず、過去1年優勝がないこともポイントでした。
ここもまあ妥当ですが、直接対決させてもよかったのでは。特に原沢選手は怪我でグランドスラム大会を欠場しています。
他にも女子57キロ級の芳田司や男子100キロ級のウルフ・アーロンも全柔連が代表決定する2番目のステップと位置付けた
2月のグランドスラム2大会を欠場しています。
それでも代表というのは後味の悪い結末です。

以上半分くらいの階級代表が???な選定でした。
井上監督が落選した永山竜樹・橋本壮市・藤原宗太郎等の名前を挙げたのは、これらの階級で今回決定することに
井上監督は反対したのでしょう。
それを私利私欲にかられた五百羅漢の委員たちに押し倒されたのでしょう。その悔し涙でした。
いろいろな競技で特にオリンピック代表選考に関してはマラソンが明確な代表選定基準を打ち出しましたが、
柔道は相変わらずです。すべての段階で強化委員会の3分の2以上の賛成が必要ということが、今の政権と同じで、
どんな無理も数で押し通すということがまかり通りました。

代表に選ばれた選手は良いでしょうが、選ばれなかった選手の中には怨念が残りそうです。

上記数字は各選手個人のWikipedia 及びYahoo スポーツの成績等を参考にさせていただいています



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