1位と2位

おはようございます。ヤクルトけんちゃんです。

その昔、民主党政権時代に蓮舫氏が事業仕分けの担当として、各省庁の無駄な予算切りを
頑張ったことがありました。その中で、科学技術庁だったと思いますが、
日本で開発中のスーパーコンピューター(最近コロナでくしゃみをすると、こんなに飛沫が飛散します
なんてしようもないことに出てくる「富岳」の原型)の開発予算をお願いしている担当者?に
蓮舫氏は「なぜ世界一になる必要があるのですか?2位ではダメですか」という歴史に
残る名言(迷言?)を発しました。

スパコンの1番2番はさておき、スポーツ界での1位2位を検証してみましょう。

我がプロ野球では優勝する(1位になる)ということはもちろん大変意味のあることです。
リーグで「優勝しなければ、2位も6位も変わらない」とまで言った監督も昔はいました。

実際には3位までに入ればAクラスと呼ばれ、(今年のヤクルトなんか、Aクラスに入ることが
大事な目標です)来年の開幕権を取れるとか、最近ではクライマックスシリーズなんてものがあり、
よしんば3位でもうまくいけば「下剋上」とか言われ、日本シリーズに出場し、もっとうまくいけば
日本一になれる、なんてちょっとゆがんだシステムのため、最近はシーズンを通しての
リーグ優勝の価値が少し下がっています。しかしリーグ優勝とか日本一というのは
プロ野球業界では大事なステータスです。

さて競馬業界ですが、競走馬は初め新馬戦なんてレースに出走し、そこからどんどん勝ち上がって
皐月賞・ダービーなんてG1レースにコマを進めるのが競馬馬のエリートコースですが、
1レースで10頭近い馬が出走し、優勝するのは1頭だけですから、中にはなかなか勝てない馬もいるわけです。
そういった馬が出走するのが未勝利戦です。まだ勝ったことのない馬のみが出る、なんとも屈辱的な
レースです。しかし逆に言えばこの未勝利戦でも1頭は1位になり、未勝利地獄から抜け出せる
わけですから、ある意味救済措置です。
大相撲の千秋楽で7勝7敗同士を対戦させて、せめてどちらかは勝ち越させてやろうというのに似ています。

プロゴルフでは年間に何十ものトーナメントがあるわけですが、このトーナメントに自由に
出場するためには、前年度に例えば賞金ランク50位以内に入ってシード権を得なくてはなりません。
さもなくば大会スポンサーに媚を売って招待選手になるか、マンデートーナメントという
予選リーグを勝ち抜く必要があります。
プロゴルファーはその試合の決勝ラウンドまで進んで初めて賞金が出ます。
従ってマンデーから頑張っても、本戦で予選落ちしては、すべてが徒労となります。

そのシード権を得る手っ取り早い方法は、前年度の試合でとにかく1勝することです。
他にも出場資格はいろいろと細かくありますが、賞金ランクで50位以内を目指して1年間頑張るよりは
まず1勝すればよいわけで、この点からも優勝には大きな意味があります。
この1勝した選手は次年度の同じトーナメントにディフェンディングチャンピオンと呼ばれて、
出場しますが、これにはあまり意味がないような。別にスコアに下駄をはかせてもらえるわけではなく、
他の選手と一緒のスタートになります。いわば名誉称号みたいなものです。

ボクシングを見てみましょう。ここでもランキングがあってチャンピオンの下に1位以下
ずらっとランカーが並んでいるわけですが、チャンピオンと1位以下には歴然とした差があります。
最近は団体が増えて世界チャンピオンの価値も下がっていますが、それでも世界チャンピオンは歴史に
残り、当然防衛戦は自分の好きなところで行い、一番の強みは引き分けでも防衛となることです。

プロレスなんてもっと極端です。引き分けはもちろん、その団体のルールによって違いますが、
チャンピオンが反則負けしてもタイトルは移動しません。
よくチャンピオンが不利になるとあからさまな反則を犯して負けて、タイトルを守るなんて
アメリカのプロレスではよくあります。

大相撲はどうでしょう。1位とは横綱になることです。
他に年間6場所ある本場所で優勝するという事もあります。
この優勝はもちろん大事ですが、1回優勝してもいくらかその力士の
番付が上がるだけで、次の場所に負け越したら元の木阿弥です。
しかし横綱になるための資格が2場所続けて優勝またはそれに準じる成績というのが
あり、その意味では横綱にステップアップするための重要な条件となります。

アマチュアスポーツはどうでしょう。一般的にはオリンピックがアマチュアにとっての
最高のイベントと考えられますが、そのオリンピックで金メダルを取ることは銀メダルよりも
一段と価値があると考えられます。
日本の柔道業界では「とにかくオリンピックで金メダルを取る」ことが至上命題となっています。
金メダルを取ればメダル授与式でその選手の所属する国の国歌が演奏されるわけで、
この上ない名誉ですが、あくまで名誉です。
他にもオリンピックで金メダルなりを取ればそれなりの賞金が出ます。
金メダルには5百万円、銀メダルには2百万円、銅メダルには1百万円です。
これは実にせこい金額で、選手の励みにはなりません。お小遣い程度です。
他に陸上競技では陸連から金メダルには2千万円、銀メダルには1千万円、銅メダルには8百万円の
賞金が出ます。こちらも驚くような金額ではありません。

以前聞いた話では、北朝鮮の選手はオリンピックでメダルを取ると、一生安楽な生活ができる
待遇が保証されているので、北朝鮮の選手は死にもの狂いで頑張る、そうです。

ことほど左様に、スポーツ界では、蓮舫氏の言うように、「なぜ2番じゃだめなんですか」ケース
(2番でもそれほど悪くない)と、1番にならないと話にならないケース(競馬馬とか)といろいろあって、
だからこそスポーツって面白い。

上記数字は各選手個人のWikipedia 及びYahoo スポーツの成績等を参考にさせていただいています




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